本当にほんとーーーに、辻村深月(つじむら みづき)さんが好き。
おすすめの本を聞かれたら絶対に辻村深月さんの小説を1冊は紹介します。だから、どれくらい辻村深月さんを好きなのかについて書きたいと思います。
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辻村深月さんってだれ?
日本の女性小説家。
1980年2月29日生まれ
Wikipediaによると作風は、
若者の微妙な心情、思春期独特の揺れ動く気持ちを捉えた透明感のある文章が特徴。また、最終的に(紆余曲折で登場人物の不幸があっても)アンハッピーエンドの作品はほとんどない。作品同士で登場人物がリンクしており、これは、手塚治虫のスター・システムや藤子・F・不二雄の世界観のリンクの影響を受けている。
だそう。うん、まさにその通り。Wikipediaさんすごい、まさにです。
私と辻村深月さんとの出会い
あれは、大学1年生の夏。(たぶん)
大学に入ってから、予備校の先生と話をしたときに本を紹介してもらいました。理由は覚えてないけど、そのまま本屋へ行ってプレゼントしてもらった本。それが「ぼくのメジャースプーン」で、私と辻村深月さんとの出会い。
そして、この1冊がきっかけで読書にのめり込みました。本が面白いんだってはじめて知った。
今では、趣味を聞かれたら「読書」って答えるけど、実は本を読み始めたのは大学生になってから。小学生の頃から本が大好きだった人とは少し違います。ほとんど本を読まなかった私を、こんなにも読書好きにさせた。それが辻村深月さん。
辻村深月さんのどんなところが好き?
「そう!これが言いたかったの」「そうだ、これが違和感だったんだ」って思わせてくれる。それが彼女の小説。
数ある彼女の小説の中から、好きなセリフをって言われたら迷わずここを答えます。
「馬鹿ですね。責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです」
(ぼくのメジャースプーン P486)
小学生の主人公が、ある子のために体を張った。でも、それは純粋にその子のためを思ってじゃなくて、結局は自分のため。それをなんて自分勝手なんだと涙を流しているときの、先生のセリフ。
私も、ずっと違和感だった。
人にプレゼントをするときだって、その人が喜ぶものをと言いつつ、本当は喜ぶその人の顔を自分が見たいから。「誰かのため」と言いつつ、本当は「自分のため」。
なのにみんなそれを当たり前のように「誰かのため」って言う。すごい違和感だった。
でも、このセリフを読んで気付いたの。それでいいんだって。だってそういうものだから。
こんな風に違和感を感じる人は多くないのかもしれない。こういう違和感は若さゆえものなのかもしれない。
本当は隠しときたいような感情を、違和感を、こんなにもはっきりと言葉にしてくれる。そんな辻村深月さんを心の代弁者のように感じてしまう、だから虜になってしまう。
辻村深月さんのおすすめ小説ベスト3
私のおすすめを言う前に、辻村深月さんの小説を読む際の注意点。それは「読む順番」。Wikipediaでもあったように、ひとつの作品に登場した人物が、その後の他作品にも登場してきます。
なので、その人物が初登場する作品を抜かして読み進めると、本来楽しめた連続性が味わえなくなってしまいます。
講談社の帯には「この順番で読めば、辻村ワールドがより楽しめる!」で下記順番になっていたので、参考までに…。
それでは、私のおすすめベスト3を紹介します!
1位 凍りのくじら
「ぼくのメジャースプーン」 推しに見えて、一番好きなのは「凍りのくじら」。なんでかって、主人公が大学生の頃の私に似ているんです…。
高校生の理帆子は、学校でも、飲み友達とも、彼氏とも、どんな相手とも合わせることができる。でもどこか息苦しくて、どこか寂しい。そんな主人公の少し不思議な物語。
「凍りのくじら」は辻村深月さんの出世作と呼ばれているもの。酷評の嵐にもなったほど。ただ、抜群に若者特有のイタさを表現していて、イタさを持っているからこそ、持っていたからこそのめり込んでしまう一冊です。
2位 ぼくのメジャースプーン
ぼくのメジャースプーンは2位でした。
「ぼく」が小学校4年生になったとき、学校で飼っていたうさぎが殺されてしまう。「ぼく」の親友「ふみちゃん」は切り刻まれたうさぎを見たショックから、心を閉ざしてしまう。ふみちゃんの心を取り戻すため、「ぼく」は特別な能力を使う。
人の心の儚さと、強さを感じる物語。「ぼく」と一緒に考え、悩み、ときに第三者的に「ぼく」を見て悲しくなる。最後の「ぼく」の決断に思わず息を飲みました。
3位 スロウハイツの神様
一度読み始めると、止まらない。というか止められない。
現代版トキワ荘を舞台とした物語。脚本家の環がオーナーをする「スロウハイツ」に人気作家チヨダ・コーキをはじめとするクリエイターたちが暮らしている。そこへ新しく入居してきた加々美莉々亜(かがみりりあ)によって話は大きく進んでいく。
ちょっとした言葉や行動が、実は誰かを想う優しさによるものだった。この優しさを、登場人物に伝えたくなる。人の温かさ、強さをじっくり味わえる一冊。
とにかく辻村深月さんが好き!